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訪問看護の広告・マーケティング戦略とは?

2024.8.19

訪問看護の需要は増加しています。

しかし、いくら質の高いサービスを提供していても、それを必要としている人々に届かなければ意味がありません。

また、効果的な広告戦略は、訪問看護ステーションやサービスの知名度を上げ、多くの利用者に届けるために重要な施策となります。


今回はそんな広告戦略において、訪問看護の広告戦略の重要性やその具体的な方法について詳しく解説します。


目次


訪問看護において、広告戦略はなぜ必要か?

訪問看護の広告戦略の流れ

 1.ターゲットを決める

  利用者向け

  看護師向け

  医療関係者向け

 2.メディアを決める

 3.ツールを作成

 4.情報発信

広告ツールの作成ポイント3選

 競合のツールを把握して、差別化

 自社の強みを整理する

 広告先のターゲットにヒアリング

広告を出す際の注意点

 表現に気をつける

まとめ


訪問看護において、広告戦略はなぜ必要か?

皆さんは広告というとどういうイメージをお持ちでしょうか。

人によっては、「ものを売りつけられるのではないか」「当てにならない」「誇大、大袈裟、勧誘」というマイナスのイメージをもっている人もいるかと思います。

しかし、企業の広告を見たことによって、そういう商品・サービスあるんだ。と気付かされた経験はありませんか?


確かに自分が必要としてない時に広告に触れると、マイナスのイメージを持つかもしれませんが、商品やサービスなどの価値を必要な人に届けるという観点では非常に重要な施策と言えます。


訪問看護サービスは、在宅で医療ケアを必要とする多くの人々にとって欠かせない存在です。

しかし、その重要性にもかかわらず、潜在的な利用者やその家族に認知されておらず、利用できていない現状があります。

さらには医療関係者にステーションの存在を十分に認知されていないことで、利用者したい人に対して受け入れができるステーションが少ないと市場的に認知されていることもあります。


訪問看護サービスを提供する皆さんにとって、利用者の健康と生活の質を向上させることが最大の使命です。

皆さんが提供する心のこもったケアが、多くの家庭に届くことで、在宅療養を選択する人々の不安を和らげ、安心感を提供できるはずです。

この使命をを果たすためにも、まずは多くの人にサービスを知ってもらうことが不可欠です。


ここで重要になるのが、効果的な広告戦略です。適切な広告戦略を通じて、訪問看護サービスの認知度を高め、潜在的な利用者やその家族、さらには医療関係者にアプローチすることが必要です。

広告戦略を正しく実施することで、サービスの利用者数を増加させ、事業の安定化を図ることができます。

訪問看護の広告戦略の流れ


しかし、広告と言っても、いろんなメディアややり方があり、実際にやる側になるとどうしていいのかわからないですよね。


では、まず広告の施策を決める上で考えるポイントを解説していきます。

1.ターゲットを決める


まず、広告を見てもらうターゲットを決める必要があります。

冒頭にお話したように、必要としていない人に情報や価値を提供しても嫌がられるのはイメージできると思います。

ターゲットによって必要としている情報が変わってくるため、そこをまずは見極め、誰にどの情報やサービスを提供したいかを整理することが大事です。

ちなみに、訪問看護ステーションの運営において広告を出す場合は3つのターゲットが想定できます。

利用者向け

まずわかりやすいところでいうと、利用者に対してステーションの存在を知ってもらうことです。

この場合は、実際にサービスを利用する高齢者などの利用対象者とその家族がターゲットです。

この層には、サービスの利便性や安心感、具体的なサービス内容をわかりやすく伝えることで、この訪問看護サービスを受けたいと思ってもらうことが重要です。

看護師向け

次に、看護師向けに広告を出す場合もあります。

それは自身のステーションで看護師を募集している場合です。

訪問看護サービスを支える人材として、看護師の採用は重要かと思います。

看護師向けの広告では、働きやすさやキャリアアップの機会、条件面の充実度などを強調することで求人への応募に繋げることが必要です。

医療関係者向け

また、病院やクリニックの医師、その他訪問看護サービスと連携する医療関係者に対して広告を出します。

訪問看護ステーションの運営は基本的に医療関係者や関係機関から利用者を紹介していただくことがほとんどです。

そのため、医療関係者や関係機関に自身のステーションを知っておいていただく必要があります。

訪問看護サービスとの連携によるメリットを強調し、紹介のきっかけを作ることがポイントです。

2.メディアを決める

ターゲットが決まったら、次にやることはメディアを決めます。

メディアというのは、テレビやネット、チラシなど広告を載せたり情報を発信する場所というとイメージできるかと思います。


以下にそれぞれのメディアについて解説します。それぞれの特徴を理解して自分の提供したい情報やコンテンツを発信するメディアを決めるのが次のステップです。


マスメディア

テレビや新聞、雑誌などのマスメディアは、幅広い層にリーチするための有効な手段です。


訪問看護においては利用者や医療関係者向けのチラシ、パンフレットが該当します。

ただし、マスメディアを活用する場合は、コストが高く効果検証が難しい一面もあるため、ターゲット層に確実に届くように計画を立てる必要があります。


オウンドメディア

具体的にはブログなどをイメージしていただけるとわかると思います。

ブログで情報提供や不安の解消をしつつ、問い合わせに繋げるというのが一般的なやり方です。


訪問看護においては、利用者や看護師のお悩み解決のサイトを作成して、利用者獲得や採用に繋げるのがいいのではないでしょうか。


オウンドメディアでは、コストを抑えつつ、詳細な情報を提供できる反面、広告としての効果を出すには比較的時間がかかります。

利用者だけでなく、自社のことを知って、共感してくれる強い味方ができるので、計画的に情報発信するメディアとして活用しましょう。


ペイドメディア

こちらは、検索広告やバナー広告といったものを活用します。

ネットで調べ物をした際に、広告やスポンサーといった表記が書かれているものを見たことがありませんか?もしくはブログやネットニュースなどを見ている時に、隣に画像で商品やサービスを宣伝しているのを見たことありませんか?


これは情報発信したい企業や人が媒体にお金を払って情報をターゲットに配信しているものになります。

ペイドメディアの特徴としては、特定のキーワードで検索するユーザーにリーチできたりするため、ターゲットを絞り込んで広告を出すことが可能となります。

訪問看護サービスでは、看護師の転職、採用の際に活用するのが効果的です。


ソーシャルメディア

FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアを活用して、情報を発信します。チャットやDMの機能を活用して、利用者やその家族と直接コミュニケーションを取ることができるため、信頼感や親近感を持ってもらうことができます。

発信する際には画像や動画などのコンテンツが必要になるため、早めの準備を心がけましょう。

3.ツールを作成

ここまでで、ターゲットを決めて、ターゲットにどうやって発信するかメディアの選定までなんとなく理解できたかと思います。

最後に、情報発信する際に必要なツールを作成していきます。


ツールを作成することで、効率よくステーションの強みや特徴を伝えることができます。

なぜ自身のステーションを使った方がいいのか、それぞれのターゲットが求めている情報整理しておきましょう。


またご参考までに、訪問看護での使えるツールをご紹介します。


マスメディアで情報発信ならチラシ、パンフレットなど

チラシやパンフレットは、営業や挨拶周りの時だけでなく、地域の医療施設やイベントなどで配布することで、直接的な宣伝効果を期待できます。

デザインや内容を工夫して、目を引くものを作成しましょう。


役所や行政の方々とお話させていただくと、「訪問看護と訪問介護の違いは何か?」など医療福祉においての知識がなく、連携も取りづらいといった声もいただきます。

その上で、チラシやパンフレットに情報を整理して載せておくことで、このステーションは有益な情報を発信してくれているといった評価から地域連携を活発にすることができたりもします。


ペイドやソーシャルメディアに使うコンテンツ

また、Web上の広告やソーシャルメディア用のコンテンツは、画像や動画を活用して視覚的に訴えることができるため、わかりやすく情報を発信することができます。


実際の訪問看護の現場や職場の雰囲気、メンバーの紹介などが載っていると信頼性や安心感と言った面でも競合との差別化につながります。

4.情報発信

ツールの作成が終わったら、各メディアで情報を発信していきます。

定期的に情報を更新し、新しい情報を提供することで、関心を持続させるように意識して発信することで利用者の獲得、採用、地域連携に繋げましょう。

広告ツールの作成ポイント3選

ここまでで、広告の作成の流れまで詳しく解説してきました。

最後に広告ツールを最大限活かして情報発信するために、ツール作成時に意識して欲しいポイントを3つご紹介します。

競合のツールを把握して、差別化

まずは競合他社の広告ツールを分析し、自社の強みを生かした差別化を図りましょう。他社と異なるポイント、自社が得意にしていることを強調することで、利用者や関係各所の関心を引くことができます。


また、基本的にパンフレットやチラシなどは競合と並べられることがほとんどです。

もしあなたが競合と同じように並べられたパンフレットなどを見た時、どのようなパンフレットを手に取りたくなるでしょうか。


そう考えてみると、少しパンフレット上部の形を変えてみるとか、大きさを変えてみるとか、色で手に取ってもらいやすくするなど工夫する余地はたくさんあります。

自社の強みを整理する

また、自社の強みを明確にして、それを広告に反映させることが重要です。


例えば、経験豊富な看護師が在籍していることや、迅速な対応が可能であること、精神疾患の利用者の対応に自信があることなど、具体的な強みを訴求しましょう。

広告先のターゲットにヒアリング

ちなみに、実際に広告を受け取るターゲット層にヒアリングを行も効果的なアイデアかと思います。

利用者、看護師、関係各所などのニーズや関心直接ヒアリングすることで、利用者目線や看護師目線、関係各所の目線で広告を出すことができて、より効果が上がります。

その上で、ターゲットに響くメッセージを作成することがとても重要です。

広告を出す際の注意点

ここまで広告の流れやポイントについて解説してきました。

しかし、訪問看護における広告には注意する点があります。

表現に気をつける

訪問看護においての広告、大きく分けると医療福祉においての広告には、表現の注意が必要です。


というのも非常に誤解が生じやすいサービスであることを認識しておいてください。

虚偽の情報を提供することはもちろん、過度な比較優位や誇大広告は避けましょう。


例えば、「この訪問看護ステーションにくれば、この病気が治ります」「訪問看護ステーションの中で〇〇No.1」「この治療ができるのは当社だけ」といった表現です。

最悪の場合、訴訟のような問題も起きる可能性だってあります。


Web上での広告ではこういった表現をすると情報発信できない場合があります。

特に医療福祉の業界では、事実に基づいた正確な情報を提供することで信頼性を高めることが重要です。

まとめ

訪問看護サービス、自社ステーションの認知度を高めるためには、効果的な広告戦略が不可欠です。

ターゲットの明確化、適切なメディアの選定、そして競合との差別化を図りながら、自社の強みを訴求する広告ツールを作成しましょう。

また、広告を行う際は、表現や内容に注意し、信頼性を損なわないようにすることが重要です。


訪問看護サービスの価値を必要としている利用者や関係各所に提供できるように、効果的な広告戦略を立てて、実行するようにしましょう。