訪問看護ステーションの立ち上げには、多くのリスクと課題が伴います。
巷では「訪問看護は儲かる」「訪問看護は成功しやすい」と言う人が増えている一方で、現実には多くのステーションが休止や廃業に追い込まれることも事実としてあります。
では訪問看護ステーションが成功するためには何が必要なのでしょうか?
この記事では、成功している訪問看護ステーションの3つの特徴をご紹介します。
これから立ち上げを考えている方や経営に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
1.成功する訪問看護ステーションの特徴3選
①資金力がある
②理念がしっかりしている
③採用がうまくいっている
2.成功に導くための行動とは?
3.成功している訪問看護事業の事例
まとめ
冒頭説明したように、「訪問看護は儲かる」「訪問看護は成功しやすい」という一部の意見に惑わされ、安易に参入した結果、資金不足や人材不足に悩み、最終的には休止や廃業に至るケースが少なくありません。
確かに訪問看護の事業はきちんとした経営をすれば失敗しにくい事業であるのは間違いないでしょう。ただ、しっかりとポイントを抑えることが重要です。
では、このような状況を回避するためには、何が必要なのでしょうか?
成功している訪問看護ステーションには、共通する3つの特徴があります。
それは
・資金力がある
・理念がしっかりしている
・採用がうまくいっている
という点です。
これらの要素を持つことで、経営の安定性を高め、持続的な成長が可能となります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
まず、訪問看護ステーションを開業して、軌道に乗せるまでにどのくらいの資金が必要か、わかりますか?
エリアや採用など条件によって違いますが、運営資金も合わせると大体1,000万円〜1,500万円くらいは最初に用意したほうが無難です。
特に訪問看護事業において、採用、人件費には比較的お金がかかります。
いやらしい話ですが、お給料を上げれば人は集まります。しかし、人件費が増えればその分経営も難しくなるのは百も承知です。
それゆえに、やはり資金力がある事業所は失敗しにくいと言えます。
訪問看護ステーションは、単なるビジネスではなく、地域社会に貢献する使命があると我々は考えています。
自分が病気にかかった時、医者や看護師から、ただ漠然と質問されただけで診察が終わった経験はありませんか?
仮にそういう経験がなくても、考えてみると、そういう病院などには行きたくなくなるのがほとんどの人のはずです。
働いている人からしても本当にこの病院大丈夫かな?と心配になるはずです。
訪問看護事業も同様に、利用者の所に訪問して、「薬飲んでる?」「元気?」「じゃあまたね」で訪問が終わる事業所も中にはいます。
そういった事業所には利用者の紹介が回って来なくなったり、従業員の満足度も下がったりと、スタッフから利用者が集まらないのはイメージできるかと思います。
そういった事を踏まえて考えてみると、訪問看護ステーションとしての在り方、信念みたいなところがその事業所の方向性を握っているのではないでしょうか。
理念があることで、経営方針がブレず、一貫したサービス提供が可能となります。
また、スタッフや利用者の信頼を得ることができ、長期的な運営に繋がります。
また、長く働いてくれる看護師やスタッフを採用することで、資金面や利用者獲得の様々な観点から訪問看護ステーションを安定して経営できる可能性は高くなります。
ちなみに、看護師の人が就職や転職において、1番みているポイントはどこかわかりますか?
看護師がみている条件は以下の3つです。
・お給料
・休みの数
・夜勤があるか
ここのバランスをしっかりととる事で採用も変わってきます。
また、1つ重要な点をあげるとすれば、先程説明した、理念をしっかり持つ事です。
理念がしっかりとしていれば、それに共感してくれる力強い人が集まってきやすくなります。
そういった看護師のアイデンティティを刺激してあげることもステーション運営において必要です。
こういったポイントをおさえてた事業所がやはり生き残っているのではないでしょうか。
ここまでで、成功する訪問看護ステーションの特徴がイメージできたかと思います。
では、具体的な行動に起こすにはどのようなことが必要でしょうか。
訪問看護ステーションの成功には、明確な行動計画が不可欠です。
以下大枠をご紹介します。
1. 資金調達計画を立てる
必要な初期投資と運転資金を見積もり、ベンチャーキャピタルや銀行融資を活用しましょう。
利用者の数に対して、まだまだステーションの数が足りていないので、成長市場であることは間違いありません。ということは、投資する側からしても計画や人人間性などが揃っていればお金を貸しやすい業界です。
資金が足りない場合は、融資を検討するのもありでしょう。
また、ファクタリングを活用して支払いサイクルを調整してもいいかもしれません。
2. 理念の明確化と共有
しっかりとした自社の理念を作成し、定期的な研修やミーティングでスタッフと共有することが重要です。
とはいえ、理念だけでは動かない人達も多いので、その人たちとどうやって足並みを揃えるかが大事なポイントになるでしょう。
3. 採用戦略の実施
専門の人材紹介サービスなどを利用し、求人広告を効果的に活用して優秀な人材を確保する。
具体的な方法については、これらの記事を参考にしてください。
※採用の記事に飛ばす。
ここまで成功しているステーションの特徴について解説してきました。
ではイメージがつきやすいように、今回は特別に成功しているステーションの事例をご紹介します。
<事例1>
宅建資格保有者が所属しており、不動産などの仲介も自社で行っている
ある訪問看護ステーションでは、宅建資格を持つスタッフが在籍しており、不動産仲介業務も行っています。
これにより、訪問看護の店舗出展の際に自社で物件を取り扱うことができたり、フランチャイズで店舗拡大をする際に総合的なサポートとして活用でき、他のステーションとの差別化を図っています。また、不動産仲介による収益も得て、資金力を強化しています。
<事例2>
ベンチャーキャピタルを関係会社に保有しており、初期費用など資金面のハードルを下げている
別のステーションでは、ベンチャーキャピタルを自社内に持っていることで、開設時などに一番最初に壁になる初期費用調達のハードルを下げています。
これにより、必要な設備投資や人材採用をスムーズに行うことができ、開業時のハードルを大幅に下げ、資金面の安定性が高まり、経営のリスクを低減しています。
訪問看護事業は、しっかりとした理念と資金力、採用力があれば成功しやすい事業です。
また、地域との連携や既存事業との相乗効果を生むことができます。
利益を追求することは重要ですが、利用者やスタッフの気持ちを無視して、運営することは非常に危険かもしれません。
これらのポイントを押さえて、あなたの訪問看護ステーションを成功に導いてください。
もっと具体的な方法や成功事例、個別相談を行いたい方はお気軽にお問い合わせください。