目次
①訪問看護の現場看護師が求めていることは?
②訪問看護事業で看護師が離職する理由
③訪問看護ステーションでスタッフの離職を防ぐ環境づくり
・教育
・サポート
④まとめ
そもそもですが、看護師が転職する際に求めていることは何かイメージできますでしょうか?
看護師の転職において、注視されるポイントとしては
・お給料
・休みの数
・夜勤があるか
の3つが大きいと言われています。
その中でも、訪問看護ステーションは、病棟勤務に比べると休みが調整しやすく、夜勤があまりないと思い転職してくる人が多いように思います。
特に、出産後の育児との両立や年齢が上がるにつれて夜勤が難しくなるの。といったきっかけで転職を考える人が多いです。
中には、その訪問看護ステーションの看護理念に共感したり、自身のキャリアアップを考えて転職をしている人もいます。
ここだけを聞くと、給料は多少下がってもプライベートとの両立ができていいのでは?という声も聞こえてくるかもしれません。
しかし、訪問看護師の離職もまた多いのは事実です。
ではなぜ訪問看護師が離職してしまうのでしょうか?
それは、病棟勤務と違い、対応力、コミュニケーション力など個人としての知識やスキルがすごく求められる点において、仕事の重圧が大きいためです。
病棟勤務では、看護をする際に、他の医者や看護師が近くにいますが、訪問看護の現場には、その看護師1人しかいません。
どうでしょうか。現場の利用者は当然その場の看護師を頼りにしています。
病棟では必要なかった医療知識や、自分が経験したことのない看護知識を求められると考えるとかなりのプレッシャーがかかることがわかります。
そのため、現場での不安や利用者との関わりについて1人でストレスを抱え込んでしまいます。また、訪問看護の現場では利用者のもとに家から直行し、家に直帰するという場合も多く、誰にも相談できなかったり、現場で起きた問題を解決できないといったことでキャパオーバーになってしまうことも多いです。
さらに、プライベートや休みが調整しやすいといった理由で、安易に転職してきた人にとっては、仕事の重圧が想像と違って大きいといった理由が、離職につながっていると思います。
とはいえ、訪問看護ステーションにおいて、2.5人以上の常勤看護師を確保しておかなければなりません。
そこで、訪問看護師の離職を防ぐためにできるステーションの環境づくりについて解説します。
訪問看護師の離職を防ぐためには教育とサポートの2つの面において、整える必要があると考えています。
それはなぜか・・・
その看護師のスキルをあげる、もしくは人に頼ることができれば、仕事の重圧はぐんと下げることができます。
そのスキル向上、人への協力という点を補う際に、教育とサポートを整えるということが重要ということです。
まず教育としては、
・看護理念の浸透
・知識を補う研修の充実
が重要だと考えています。
看護理念を持つことで、利用者に対しての姿勢や看護の方向性が明確になり、現場で迷った際の指針につながります。
また、人間は知らないことに対して、とても恐怖を抱く生き物であるため、社内・社外問わず研修を行うことで現場での不安を払拭することができます。
また、現場で起きた問題を共有したり、すぐに対応を聞ける対策をする必要もあります。
例えば、我々のステーションではお昼の30分間を使って、ステーションの看護師が任意参加でオンラインを繋いで意見交換を行っています。
その場には知識、経験豊富な看護師にも参加してもらい、現場で起きた問題や事例に対しての具体的な対応まで共有することでステーション全体でサポートできる環境を整えています。
こういった教育やサポートの環境を整えるだけで、看護師の負担を軽くすることができます。
その上で、利用者からも感謝されると、看護師としてのやりがいにもつながりることがイメージできるかと思います。
ここまで訪問看護ステーションにおいて、看護師が求めていることや離職の理由、スタッフの定着率を高めるための具体的な対策について解説しました。
病棟での勤務と違い、看護師としてのスキルや対応力、コミュニケーション力が求められ、業務負担も多い反面、看護師としてのスキルや知識の向上、やりがいに関しては病棟勤務では得られないものがあるのではないでしょうか。
看護師の教育やサポートを充実させて、負担を軽くしてあげることも経営者の仕事です。
看護師が定着する環境や仕組みを整えて、地域に必要とされるステーションを目指していきましょう。